祇園祭の厄除けちまき処分の方法は？返納方法やいつまで飾るか解説！

祇園祭の山鉾町（やまほこちょう）で授与される、縁起物の「厄除けちまき」。

翌年の祇園祭で新しいちまきを受けたら、1年間のご加護に感謝して古いものを返納するのが習わしです。

この記事では、神社への返納方法や自宅での処分方法、具体的な返納場所、返納時の注意点、いつまで飾るべきかなど、ちまきの処分に関する疑問を解決します。

郵送での返納や複数まとめての返納、前年のちまきの扱いについても解説します。

厄除けのちまきを適切に扱い、来年も安心して祇園祭を楽しめるように、ぜひ最後までお読みください。

祇園祭のちまきの処分方法は？

祇園祭の厄除けのちまきを処分する前に、ちまきには、その年の厄除けのご利益があります。

そのため、神社への返納、もしくは自宅での処分といった方法だとしても、感謝の気持ちを持って丁寧に扱うことが大切です。

以下の方法を参考に、適切な方法で返納もしくは処分しましょう。

処分方法	説明	注意点
神社への返納	授与を受けた神社、もしくは他の神社の古神札納所へ返納。 宵山（7月14〜16日、21〜23日）の期間中、山鉾町で返納用の箱や受付が設置されます。	神社の指示に従う
お焚き上げ	神社で行われるお焚き上げを利用。 期間に関係なく、八坂神社の社務所でお焚き上げとして返納可能です。	神社に問い合わせ、時期や方法を確認
可燃ごみとして処分	自治体の指示に従い、可燃ごみとして処分。 白い紙で包み、清めの塩をふって、感謝の気持ちを込めて「普通ごみ」で処分します。	地域ごとのルールを確認

より詳しい情報については、八坂神社の公式サイトを参考にしてください。

神社への返納

最も一般的な方法は、処分ではなく、授与を受けた神社、もしくは他の神社の古神札納所へ返納する方法です。

祇園祭の宵山（7月14〜16日、21〜23日）の期間中は、多くの山鉾町で返納用の箱や受付が設置されます。

特に長刀鉾、月鉾、函谷鉾などの人気の鉾町では毎年対応があります。

また、多くの神社では、1年を通して古神札や古いお守りを受け付けています。

返納する際は、神社ごとに決まりがあるか事前に確認しておきましょう。 

ちまきを袋から出して納めるべきか、お賽銭が必要かどうかなど、神社の指示に従って、敬意を持って返納することが大切です。

お焚き上げを利用する方法

神社や業者が行うお焚き上げを利用する方法もあります。

お焚き上げとは、神聖な火で焚き上げることで、神様へ感謝の気持ちを表し、お札やお守りなどを浄化する儀式です。

祇園祭の期間に関係なく、八坂神社の社務所でお焚き上げとして返納することができます。

封筒や袋に入れ、「お焚き上げ希望」と書いて社務所へ渡すと安心です。

八坂神社以外でお焚き上げを希望する場合は、神社に問い合わせてみましょう。

可燃ごみとして処分

ごみとして処分することは、できるだけ避けたいですが、神社への返納がむずかしい場合もあるでしょう。

そのように、やむを得ず自宅で処分する場合は、自治体のごみ処理方法に従い、可燃ごみとして処分することになります。

その際、「感謝の気持ち」を込めて処分することが大切です。

地域によっては、お塩で清めてから白い紙に包んで出す風習があります。

お住まいの地域のルールを確認しましょう。

祇園祭のちまきの返納場所は？

祇園祭のちまきは、授与を受けた神社仏閣に返納するのが基本です。

多くの場合、授与所周辺に返納箱が設置されています。

各山鉾町でも、それぞれの山鉾の会所などで返納を受け付けている場合がありますので、確認してみるのも良いでしょう。

確実に返納できるよう、事前に各神社仏閣や山鉾町に問い合わせて確認することをおすすめします。

以下に、代表的な返納場所をまとめました。

場所	期間	備考
八坂神社	7月末まで	境内に返納所が設置される 八坂神社公式サイト
各山鉾町	山鉾巡行後しばらく	各山鉾の会所などで受け付けている場合がある 詳細は各山鉾町にお問い合わせる
その他授与を受けた神社仏閣	それぞれ異なる	授与を受けた場所に問い合わせる

上記以外にも、授与を受けた場所が明確な場合は、その神社仏閣に問い合わせるのが確実です。

祇園祭のちまきの返納方法は？

祇園祭のちまきは、授与された神社やお寺に返納するのが基本です。

各神社やお寺でそれぞれ返納方法が定められている場合があるので、事前に確認することをおすすめします。

一般的な返納方法としては、以下の方法があります。

返納方法	説明	注意点
授与された神社に返納する	指定の返納場所（返納箱、古神札納所など）に直接ちまきを持参	返納期間や場所を事前に確認
近くの神社に納める	神社やお寺によっては納めていい場合がある	事前に可否を問い合わせる

原則、郵送では受け付けていない場合が多いので、可能な限り直接持参するのがマナーです。

具体的な返納方法や返納期間については、各神社やお寺の公式サイトなどを確認するか、直接問い合わせることをおすすめします。

八坂神社まで行くのが不便な場合、祇園祭の宵山や巡行の時に、関係者の方に渡しても良いという祇園祭側の回答があります。ちまきを預かって、八坂神社に届けて奉納させてくれるようです。

授与された神社に返納する

指定の返納場所に直接ちまきを持参して返納します。

多くの神社やお寺では、境内に返納箱や古神札納所が設置されています。

返納期間は、祇園祭の期間中またはその直後であることが多いですが、神社やお寺によって異なるため、事前に確認しましょう。

近くの神社に納める

遠方などで持参がむずかしい場合は、可能であれば地域の神社などでお焚き上げを相談するのがベターです。

ちまきを納めることができるか、お住まいの地域の神社に確認してみてください。

郵送で返納は非推奨

遠方などで持参がむずかしい場合は、郵送で返納できる可能性もありますが、原則は持参するのがマナーです。

なお、2023年5月31日をもって、八坂神社では授与品全般の発送を取り止めており、祇園祭期（7月中）のちまきの発送も行っていません。

祇園祭のちまきを返納する際の注意点は？

祇園祭のちまきを返納する際には、6つの注意点があります。

スムーズに返納するためにも、以下の6点に気をつけましょう。

項目	注意点
返納場所と期間を確認する	事前に各神社やお寺の公式ウェブサイトや電話で確認
ちまきの状態をきれいにする	できるだけきれいな状態で、濡れている場合は乾かしてから返納
納め方の指示を確認	指定の場所に納める、係員の指示に従う
他の持ち物と一緒にしない	ちまき以外のものと一緒に返納しない
感謝の気持ちをもつ	一年間無事に過ごせたことへの感謝を込めて返納
返納時のマナーをチェック	適切な服装、静かに参拝、他の参拝者への配慮

不明な点があれば、各神社やお寺に問い合わせるのが確実です。

返納場所と期間を確認する

各神社やお寺によって、ちまきの返納場所や受付期間が異なります。

事前に公式ウェブサイトや電話などで確認しましょう。

返納期間外に持ち込んでも受け取ってもらえない場合があるので注意が必要です。

ちまきの状態をきれいにする

ちまきは、できるだけきれいな状態で返納しましょう。

雨などで濡れてしまった場合は、乾かしてから返納するのが理想です。

また、過度に汚損したり、破損したりしている場合は、返納を受け付けてもらえない可能性があります。

その場合は、後述する自宅での処分方法を検討してください。

納め方の指示を確認

神社やお寺によっては、指定の場所に納めるように指示がある場合があります。

係員がいる場合は、指示に従って返納しましょう。

また、お賽銭箱のような場所に納めるのではなく、専用の返納場所がある場合もありますので、注意深く確認しましょう。

他の持ち物と一緒にしない

ちまき以外のものと一緒に返納することは避けましょう。

お守りやお札など、他の縁起物を一緒に返納したい場合は、それぞれの適切な方法で処分するようにしてください。

感謝の気持ちをもつ

ちまきを返納する際は、感謝の気持ちをもつことが大切です。

1年間、無事に過ごせたことへの感謝を込めて、静かに返納しましょう。

返納時のマナーをチェック

神社やお寺は神聖な場所です。

適切な服装をし、静かに参拝するなど、基本的なマナーを守りましょう。

また、他の参拝者の迷惑にならないように配慮することも大切です。

祇園祭のちまきはいつまで飾る？保管の期間を解説！

飾る期間

祇園祭の厄除けのちまきは、一般的に翌年の祇園祭まで1年間を通して飾るのが習わしです。

つまり、7月の祇園祭が終わったら、前の年のちまきは取り外し、新しく授与されたちまきを飾ることになります。

ただし、神社によっては異なる場合もあるため、授与された神社の指示に従うことが大切です。

不明な場合は、直接神社に問い合わせて確認することをおすすめします。

期間	説明
授与された年の祇園祭後～翌年の祇園祭まで	一般的なちまきの飾り期間
神社によって異なる	神社の指示に従う

飾る場所

厄除けちまきは「家を守るお守り」ですので、玄関や門に飾るのが正式な飾り方です。

外から見える場所に吊るすことで、災いを防ぎ、福を呼び込むと信じられています。

玄関ドアの表側・外から見える位置に取り付け、可能なら高めの位置に結びます。

賃貸などで外に飾れない場合は、玄関の内側や靴箱の上でもいいでしょう。

祇園祭のちまきの保管方法

祇園祭のちまきは、厄除けのご利益があり、次の祇園祭まで大切に保管しましょう。

保管場所や方法を適切に選ぶことで、ちまきの劣化を防ぎ、ご利益を保てます。

保管場所の選び方

ちまきは神聖なものであるため、粗末に扱わないように直射日光や高温多湿を避けて、風通しのいい清潔な場所で保管しましょう。

具体的には、以下のような場所が適しています。

反対に、以下のような場所は避けるべきです。

• 直射日光の当たる場所
• 高温多湿な場所（キッチンや浴室など）
• 温度変化の激しい場所

保管方法

保管方法もちまきの状態を保つために重要です。

飾るのが基本ですが、飾らない場合、以下の保管方法を参考にしてください。

方法	メリット	デメリット
箱に入れて保管する	埃や虫から守ることができる	湿気がこもらないように注意が必要
袋に入れて保管する	手軽に保管できる	通気性が悪い場合、カビが発生する可能性があるため、通気性の良い袋を選ぶ
和紙に包んで保管する	湿気を吸収し、ちまきを保護する効果がある	定期的に和紙の状態を確認し、必要に応じて交換する

上記の方法を参考に、ご自身の環境に合った最適な保管方法を選び、次の祇園祭まで大切に保管してください。

保管方法についてさらに詳しく知りたい場合は、祇園祭公式ホームページなどを参考にしてください。

いずれの方法でも、防虫剤を併用すると、より効果的に虫を防げます。

ただし、防虫剤の種類によっては、ちまきを変色させる可能性もあります。

そのため、ちまき専用の防虫剤を使用するか、防虫剤が直接ちまきに触れないように注意しましょう。

複数のちまきの保管方法

複数お持ちの場合、それぞれを個別に保管するのが理想的です。

重ねて保管すると、下のちまきが潰れてしまったり、湿気がこもってカビが発生する原因となる可能性があります。

祇園祭のちまきの種類

祇園祭のちまきには、大きく分けて厄除けちまきと粽飾り（ちまかざり）の2種類があります。

どちらも厄除けの力があるとされていますが、その用途や形状が異なります。

種類	用途	形状	入手方法	食べられるか
厄除けちまき	厄除け祈願	藁で包まれた長方形	各山鉾町の授与所などで購入	不可
粽飾り（ちまかざり）	山鉾の装飾	さまざま	一般販売なし	不可

また、厄除けちまきの中には、山鉾町ごとに異なるデザインや大きさのものもあります。

詳しくは各山鉾町の公式サイトなどを参照ください。

厄除けちまき

厄除けちまきは、神棚や玄関などに吊るして厄除けを祈願するためのもので、実際に食べることはできません。

藁で包まれた長方形の形をしており、中には護符や薬草などが入っています。

各山鉾町で販売されており、授与所などで購入できます。

粽飾り（ちまかざり）

粽飾りは、山鉾の装飾品として用いられるちまきです。

厄除けちまきとは異なり、さまざまな色や形のものがあります。

一般的に販売されておらず、入手することは困難です。

各山鉾町によってデザインや素材が異なり、伝統的な技術が凝縮されています。

中には、特定の神社でしか手に入らない限定のちまきなどもあります。

祇園祭のちまきの処分に関するよくある質問

祇園祭のちまきの処分方法について、よくある質問をまとめました。

ちまきを郵送で返納することはできますか？

神社によっては郵送での返納を受け付けているところもありますが、基本的には直接持参するのが望ましいとされています。

郵送を受け付けているかどうかは、各神社に問い合わせて確認してください。

複数のちまきをまとめて返納しても良いですか？

まとめて返納しても問題ありません。

多くの家庭で複数個のちまきを授与されるため、神社側もまとめての返納を想定しています。

前年のちまきを返納しても良いですか？

前年のちまきは返納可能です。

ただし、あまりに古いものは処分に困る場合もあるため、なるべく早く返納するようにしましょう。

また、新しいちまきを授与された際に一緒に返納するのが良いでしょう。

ちまきの処分を神社以外で行うことはできますか？

神社以外で処分する場合、家庭ゴミとして処分する方法とお焚き上げを利用する方法があります。

家庭ゴミとして処分する場合は、各自治体の分別方法に従ってください。

お焚き上げは、神社仏閣や地域の自治体で行われている場合があります。

お近くの神社仏閣、または自治体に問い合わせて確認しましょう。

また、お焚き上げを専門に行う業者も存在します。

ちまきの処分方法で迷う場合はどうすれば良いですか？

ちまきの処分方法で迷う場合は、授与を受けた神社に問い合わせるのが確実です。

各神社によって対応が異なる場合があるため、直接確認することで適切な方法で処分できます。

また、八坂神社の公式サイトもチェックしてみてください。

処分方法	説明
神社への返納	最も一般的な方法で、感謝の気持ちを込めて返納できます。
家庭ゴミとして処分	各自治体の分別方法に従って処分します。塩で清めてから処分するのが一般的です。
お焚き上げ	神社仏閣や地域の自治体、専門業者に依頼して焼納してもらいます。

ちまきの種類によって処分方法は異なりますか？

祇園祭のちまきには、厄除けちまきとちまき飾りの2種類があります。

どちらも処分方法は同じで、神社に返納するか、家庭ゴミとして処分するか、お焚き上げを利用するかを選択できます。

祇園祭のちまきの由来と歴史

祇園祭のちまきは、疫病退散を祈願する大切な役割を持つもので、その歴史は古く、平安時代まで遡ります。

貞観11年（869年）に都で疫病が流行した際、神泉苑で行われた「祇園御霊会」が起源です。

ちまきの由来は「蘇民将来伝説」に基づくもので、茅の輪を身につけた者は災いを免れるという神話に由来しています。

現在は笹で巻いた円錐形のお守りとして、八坂神社や各山鉾町で授与されます。

ちまきの変化と意味

祇園祭のちまきは、時代とともにその形や意味を少しずつ変化させてきました。

古くは疫病退散を祈願するお守りとしての役割が中心で、「蘇民将来伝説」に基づき、災厄を避けるための象徴として用いられてきました。

現在では、疫病除けに加え、無病息災や家内安全などの願いも込められ、より広い意味での厄除けとして親しまれています。

また、形状も時代を経て変化しました。

もともとは茅や藁などの素朴な素材で作られていましたが、江戸時代以降、抗菌作用のある笹の葉で包まれた現在のような円錐形のお守りに変化しました。

時代	ちまきの形状	意味合い
平安時代	茅や藁を束ねた茅の輪や茅の葉の束	疫病退散の祈願・厄除けの象徴
江戸時代頃	笹の葉で包まれた現在の形	厄除け・家内安全・無病息災

祇園祭の歴史や、ちまきにまつわる蘇民将来伝説を知ることで、祇園祭のちまきが持つ深い意味や歴史的背景を理解し、より大切に扱うことができるでしょう。

詳しくは祇園祭公式ホームページをご覧ください。

厄除けちまきと蘇民将来伝説

祇園祭のちまきには、「蘇民将来伝説」という話が深く関わっています。

この伝説は、素戔嗚尊（すさのおのみこと）が旅の途中で貧しい蘇民将来に宿を借り、その親切に感謝し、茅の輪を身につけることで疫病から逃れられると教えたというものです。

この伝説から、茅の輪は厄除けの象徴とされ、祇園祭のちまきにもその意味合いが込められています。

ちまきは、蘇民将来が門口に掲げた茅の輪を模したものともいわれ、疫病除けの力を持つと信じられています。

祇園祭のちまきの処分方法や返納場所・保管期間まとめ

以上、神社への返納方法や自宅での処分方法、具体的な返納場所、返納時の注意点、いつまで飾るべきかなど、ちまきの処分に関する疑問を解説しました。

次の祇園祭に向けて、正しい知識でちまきを扱いましょう。